袖・カフス ファッション辞典
アメリカンスリーブ
アメリカンスリーブとは和製英語のファッション用語。アメリカンアームホールの俗称。首の根元から袖ぐりの下までを大きく斜めにカットしているノースリーブタイプのデザインの一種。後ろにも前と同じ身頃が付いているのが特徴。
>>アメリカンスリーブについての用語解説を読むアームホール
アームホールとは、袖ぐりのこと。身頃と袖を接合する身頃側の部分のことをやその寸法のことを指す。AHと略される。デザインや機能性の上で重要な部分にあたる。運動域により形態が異なっている。
>>アームホールについての用語解説を読むエポーレットスリーブ
エポーレットとは、「肩章・肩飾り」と訳すことができ、そうしたものが付いているような感じになっている袖のことを指し、一般的には袖山が肩部分まで続いており、ヨーク上に襟ぐりにまで伸びている袖のことを指す。
>>エポーレットスリーブについての用語解説を読むコンバーチブルカフス
コンバーチブルカフスとは、交換することができるカフスという意味で、袖口にボタン穴が両方にあり、ボタンでもカフスリンクスでも利用できるようになっているシャツカフスのことを指す。いわゆる両用カフスのこと。また、取り外しが可能なカフスのことをコンバーチブルカフスと呼ぶこともある。
コートカフス
コートカフスとは、コートにつけるようなカフスのこと。冬の厚手のコートの場合は、袖とカフスを別々に作り、カフスを袖先にかぶせて縫い付けるような場合もある。比較的うすでの場合は袖先を折り返して作ることが多い。
>>コートカフスについての用語解説を読むシングルカフス
シングルカフスとは、折り返しの無い一重仕立てのシャツカフスのこと。袖ボタンで留めるようにした最も一般的なタイプ。本来シングルカフスという場合はハード仕上げで左右にボタン穴があり、カフスボタンで留めるのが本来であったが、現在シングルカフスという場合は片方にボタンが付いたシンプルな袖のものを指す。
>>シングルカフスについての用語解説を読むスパイラルスリーブ
「スパイラル」とは「らせん形の、渦巻き形の」という意味を表している。
スパイラルスリーブは、布地を渦巻状に縫い合わせた袖のことをいい、婦人男毛皮コートなどに多くみられるものとなっている。
スプリットラグランスリーブ
スプリットラグランスリーブとは「ラグランスリーブの変形で、「スプリット」は「割る、分離させる」という意味を持つ。
スプリットラグランスリーブは、肩の縫い目から前部がセットインスリーブ(普通袖)、後ろがラグランスリーブに分かれた袖のことをいい、ワンサイドラグランスリーブ」とも呼ばれている。
レインコートやジャンパーなどに用いられることが多い。
セットインスリーブ
セットインスリーブは、正常なアームホール(袖ぐり)の位置に袖をつけることをいう。
これは袖付けの最も基本的な付け方で、「普通袖」ともよばれている。
セミラグランスリーブ
セミラグランスリーブとは、肩の途中から斜めにラグランスリーブのように切り替えた袖、または、襟ぐり線から袖口にかけて切り替え線が入ったラグランスリーブのような袖をいう。
ツーボタンアジャスタブルカフス
ツーボタンアジャスタブルカフスはシングルカフスの一種。
袖のボタンが横に2つ並べて付けられているため、袖口をゆるくしたり締めたりの調節ができるようになっているタイプのことをいうものである。
ティアードスリーブ
ティアードスリーブとは、横に何段か切り替えて布を重ね合わせた袖のことをいう。
ティアードとは「段々になった」という意味で、フリルのようにボリュームのある袖。
テレスコープスリーブ
テレスコープスリーブとは、筒状で二重になった袖のことをいう。
この二重になった下側の袖が見えており、「望遠鏡(テレスコープ)」のように見えることから、この名前がつけられた。
このテレスコープスリーブは、ダブルスリーブの一種である。
テーラードスリーブ
テーラードスリーブとは、紳士服に仕立てられた袖のことをいう。
テーラードスーツに見られる堅い感じの袖のことで、完全な二枚袖であるツーピーススリーブが用いられる。
通常、これには袖口のカフス部分は付かず、切り放しのままの筒袖状になっているものが多い。
トランペットスリーブ
トランペットスリーブとは、袖口が大きく開いたもの。
トランペットのラッパ口のように大きく開いていることが特徴である。
また、「コルネットスリーブ」と呼ばれる場合もあり、これは「コルネット」というトランペットの小型楽器に由来している。
これらのように、袖口が広がっているものを総称して「ベルスリーブ」と呼んでいる。
ドロップドカフス
ドロップドカフスとは、カフス(衣服の袖口に付けられた帯状の部分)の部分が垂れ下がって、少し広がっているようなものの宗匠です。
ドロップドは「落ちた」、「垂れた」という意味をもちます。
また、鐘の形をしているものが多いことから「ベルシェイドカフス」とよばれることもあります。
ドロップドショルダースリーブ
ドロップドショルダースリーブとは、袖付け線を本来の位置ではなく、肩よりも腕側に下げて付けたものをいう。
また、ドロップドショルダースリーブと同様に肩よりも腕側に下げてパフスリーブが付けられたものを、「ドロップドパフスリーブ」という。
バタフライスリーブ
バタフライスリーブとは、袖ぐりが深くゆったりしており、袖口が急に細くなっている袖の形。
ドルマンスリーブとよく似ているが、より幅の広いものがバタフライスリーブとされている。
蝶々の羽の形に似ていることから名づけられたもので、「バットウィングスリーブ」とも呼ばれている。
バットウイングスリーブ
バットウイングスリーブとは、「こうもりの翼」に似ていることに由来している。
袖の形はバタフライスリーブと同様で、袖ぐりがゆったりと深く、袖口が急に細くなっている形。
バルーンスリーブ
バルーンスリーブとは、バルーン(風船)のように大きく膨らませた袖を表す。
袖丈は肩からひじまでのものが多く、「メロンスリーブ」とよばれることもある。
バンドカフス
バンドカフスとは、幅の細い帯を袖口に縫い付けてバンド状にしたカフスのことをいう。
パフスリーブのよなどのギャザーを寄せた袖口や、バンドカラーと呼ばれる立ち衿のカジュアルなシャツに多く用いられるデザイン。
パイピングカフス
パイピングカフスとは、袖口に細いバイアス布や他の布などで縁取ったもの。
パイピングとは「衣服に縁取りを付ける」という意味を持つ。
ギャザーをとって膨らませた袖の始末として用いられていたが、現在では、ポケット口や衿口、裾などにアクセントとして使用されることも多い。
パゴダスリーブ
パゴダスリーブとは、袖の上部が細く、ひじの下から袖先に向かって広がっている形である。
「パゴダ」とは、東洋の仏塔を意味しており、この形に似ていることが由来している。
仏塔のように3段、5段などに重ねられたパゴダスリーブもある。
パフスリーブ
パフスリーブとは、ギャザーやタックなどの方法で袖山や袖口を膨らませたもの。
「膨らむ」という意味のパフからこの名前が付けられており、バブルスリーブとほとんど同様とされている。
ちなみに「バブル」とは「泡」を意味しており、これもまた「膨らんだ袖」を意味している。
ビショップスリーブ
ビショップスリーブとは、腕の上部は体にフィットしたもので、ひじから下を極端に広げた長袖のこと。
これには、袖口にギャザーを寄せてバンドで留める形のものと、そのまま切りっぱなしにした形のものとに分類される。
「ビショップ」とは「主教、司教」の意味に由来して付けられたものだが、他にも「ペザント(農婦)スリーブ」と呼ばれる場合もある。
フレンチカフス
フレンチカフスとは、「フランス風のカフス」を意味するもので、「ダブルカフス」の別称です。
堅く糊付けされたシングルカフスとは異なり、袖ボタンではなく、カフリンクスを用いて留める折り返し式の軟らかいダブルカフスを表す表現であり、アメリカで多く使用される言葉でもある。
シャツカフス、リンクカフス、レイズドカフス、コンチネンタルカフスなどと呼ばれる場合もある。
ブッファンスリーブ
ブッファンスリーブとは、大きく膨らんだパフスリーブを意味する。
「ブッファン」とは、「ふっくらとした」という意味を持ち、バルーンスリーブとほとんど同じものである。
ブレスレットスリーブ
ブレスレットスリーブとは、ブレスレットを付けるのにちょうどいい長さのことをいう。
主にひじから手首までの間の長さの袖で、七分丈と同様の意味をもつ。
プッシュアップスリーブ
プッシュアップスリーブとは、ひじから上の袖を上へ押し上げたようにゆったりとさせてギャザーを寄せ、ひじから下を体にフィットさせた長袖や七分袖のことをいい、袖口に紐を通して絞り込む場合もある。
また、セーターなどの袖をたくし上げた状態のことも同様に呼ばれる。
ベルシェイプカフス
ベルシェイプカフスとは、袖先についたカフスの裾が広がっているものを指す。
ベルシェイプには「釣り鐘形の」という意味があり、袖先が広がっている様子が釣り鐘に似ていることに由来している。
また、袖が釣り鐘のように広がっているものを「ベルスリーブ」という。
ペザントスリーブ
ペザントスリーブとは、ドロップショルダー(通常の袖付けよりも肩先が落ちている)、パフスリーブでゆったりとした長袖が多くなっている。
「ペザント」とはヨーロッパの農民を現し、主に女性が着ているペザントブラウスに由来している。
ペタルスリーブ
ペタルスリーブは、何重かに重なった袖や、バイアス布のカフスを付けて袖口が大きく開く袖のことを指す。
これは、花びら(ペタル)に由来しており、これらの袖が花びらのように見えることから名づけられたものである。
ボタンドカフス
ボタンドカフスとは、ボタンで留めるように作られているカフスのことを指す。
くるみボタンや小さなボタンを袖口に並べて、ループ仕掛けにした装飾的なデザインで用いられることが多い。
ポインテッドスリーブ
ポインテッドスリーブとは、袖口が手の甲にまでかかっており、その先端がとがっているもの。
ウエディングドレスなどに用いられることが多い。
マンダリンスリーブ
マンダリンスリーブとは、肩から肘までは身体にフィットして、肘から袖口にかけてゆるやかに広がっているものを指す。
中国、清朝時代の高級官史の官服から取り入れたものである。
現在はウエディングドレスなどに多くみられるデザインとされている。
ムスクテールスリーブ
ムスクテールスリーブとは、身体にフィットした長袖で、袖山から手首まで縦に切り替えを入れてシャーリングを施した袖を表す。
ムスクテールとはフランス語で「銃兵」、「近衛騎兵」を意味している。
ラグランスリーブ
ラグランスリーブとは、襟ぐりからわきの下に切り替え線を入れて、型と袖を一続きに縫いつけた袖を指す。
クリミア戦争中に英国のラグラン将軍が考えだしたといわれており、これに由来している。
袖ぐりが深く、ゆとりを持ったデザインになっており、負傷者も脱ぐのが比較的簡単である。
また、袖漬けの縫い目から雨などが入り込まなくなっている。
現在では、コートやジャンパーなどに多く用いられているデザインである。
ランタンスリーブ
ランタンスリーブとは、ランタン(ちょうちん)のように膨らんだ袖を指し、提灯(ちょうちん)袖と呼ばれる場合もある。
一般的には短めのデザインのものが多く、横の切り替えやダーツなどによって丸みのある形をつくるものである。
リムーバブルカフス
リムーバブルカフスとは留めたり外したりすることが可能なデザインの袖口を表す。
「リムーバブル」とは「移動可能な、取り外し可能な」という意味があり、テーラードジャケットの袖口のように見せかけの明きで飾りボタンになったものをこう呼ぶ場合もある。
実際に留めたり外したりするこができるものはドクタースタイルや「本明き」と呼ばれ、飾りだけで実際の用に供しないものはイミテーションカフスと呼ばれる。
>>リムーバブルカフスについての用語解説を読むレッグオブマトンスリーブ
レッグオブマトンスリーブとは、羊(マトン)の脚(レッグ)の形に似ていることに由来するもので、上部がゆったりと膨らみを持ち、袖口にかけて徐々に細くなっているデザインを指す。
ひじ付け部分にギャザーやっタックなどを用いて大きな膨らみを持たせ、肘から袖先にかけて細く、ピッタリと身体にフィットさせるものである。
フランス語では「ジゴ」または「マンシュ・ア・ジゴ」と呼ばれる。
ロールアップスリーブ
ロールアップスリーブとは、「ロールアップ(巻き上げる)」の意通り、巻き上げることができる袖のこと。
長袖などを巻き上げて着用するときに落ちてこないように工夫されたものを指す。
代表的なものとして、袖の内側の肩先に尾錠(びじょう)のついたテープを取り付け、折り返したときに外側の袖に付いたボタンで留めるデザインが多くみられる。
袖丈(そでたけ)
袖丈(そでたけ)とは、袖の長さのこと。
袖の長さとは、肩先から手首までの寸法を指し、その長さによって「長袖」、「七分袖」、「半袖」、「短袖」、「三分袖」などに分類される。
また、裄丈(ゆきたけ)という場合は、バック・ネック・ポイントという後ろ中心の首付け根箇所から、ショルダーポイントという肩先点を通って、自然なラインで手首に届く寸法のことを表す。
袖芯(そでしん)
袖芯とは、袖裏(そでうら)の袖口付近に入れる芯地のことをいい、形が崩れないよう補強のために用いられるものである。
キャラコ、麻などの丈夫で光沢がある素材で作られることが多く、テーラードな服に多く用いられている。
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